オリンピック聖火リレーの燃料はプロパンガス、黄色い炎が出ないので一部を部分燃焼、カーボンを生成、このカーボンが酸化する際の輝炎を利用したようだ(詳細はよくわからんが…)。
当然CO2 が燃焼ガスとして生じるのでカーボンフリーとは言い難い。
この聖火リレーには10本だけカーボンフリーのシンボルとして水素燃料を用いたものが使用された。
水素燃料供給には水素貯蔵合金が用いられたという。
水素燃焼の際の火炎は無色透明、よって黄色い炎を見せるために炭酸水素ナトリウムを添加するのだそうだ。
いわゆるナトリウムの示す炎色反応である。
燃焼による炭酸水素ナトリウムの分解反応式は次の様になる。
2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2
立派にCO2が発生する、量的なものはよくわからんが果たしてカーボンフリー聖火トーチと高らかに宣言できるものなのだろうか?
東京オリンピック開会式で大坂なおみによって点火された聖火台の聖火(国立競技場は木造で聖火台の恒久設置が出来なかった)は夜中にこっそり夢の大橋そばの聖火台に移された。
この聖火台についてはこう発表されている。
「太陽をモチーフにしており、球体を覆う金属の表面が花のように開いており、生命力や希望といった意味が込められている。大きさは式典用聖火台の約3分の1で、直径約1.2メートル×高さ約0.9メートル、重さ約200キロ。燃料には五輪史上初めて、液体水素が用いられた。水素は燃焼の際に、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー。水素は燃焼時、無色透明であるため、炭酸ナトリウムで着色されている。費用は40億円から50億円、トヨタ自動車が費用の一部を負担する。」
燃料水素は福島県浪江町に操業を開始した「福島水素エネルギー研究フィールド」での太陽光発電による水電解水素ガス製造がスタートしてるそうだ。
だが、このクリーンな水素ガス工場には液化設備はない。(液化の必要のない聖火トーチに使用されている水素ガスはここで発生する水素、クリーンエネルギーとある。)
となると、この聖火台で用いる液体水素については商業ベース(通常は石油精製オフガスからの水素を化石燃料が発電のベースとなってる電力で液化する)で製造された液体水素をそのまま利用するしかない、炭酸ガスを放出しないクリーンなエネルギーと称するにはちょっと羊頭狗肉と言える。
ただの素人には美辞麗句を並べ立てる今回の聖火台には少し疑問を感じる。
なぜ、この東京オリンピック開催に当たってはいかがわしい事実を隠して喧伝を続けるのであろうか?