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あるちゅはいま日記

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江戸の花見

東京は桜の花が満開となったそうだ。
このあたりはまだつぼみも見えぬほど。
岩陰には雪が残り、地面は凍結したまま、まだまだストーブが放せない。
最近の桜開花情報はソメイヨシノの標準木の開花状況で決められる。
東京では靖国神社境内にある三本の桜を気象庁の職員が観察した結果が公表される。
ソメイヨシノが品種改良で誕生したのは、実は江戸時代も末期の頃。
江戸っ子たちが見たのはソメイヨシノではない桜。
寛文5年(1665年)に描かれたと言われる「草木写生春秋之巻」には”姥桜”、”山桜”、”毬花桜”などがみられる。
江戸の花見_b0126549_20114254.jpg
江戸の桜名所には開花時期の異なった何種類かの桜が植えられていた。
彼岸桜に始まってほぼ一月ほど花見を楽しむ事が出来た。
あの狂歌の売れっ子、太田南畝は8回も花見に出かけたそうだ。
桜名所の一つが墨田川堤、もともとは徳川吉宗が向島から千住までおよそ1里にわたって桜を植え付けた。
もともとは堤の補強を目的としたのだが...
享保の改革での緊縮財政、五公五民と言われた年貢の増税などなどで行き詰まった庶民の憩いのひと時をも提供することにもなった。
女性たちは身分を問わず精いっぱいのおしゃれをして、男性の視線を意識しながら桜の下をそぞろ歩いた。
玉の輿を夢見るのは江戸に時代も現代も一緒だ。
男性たちにとっても夜の墨田川堤あたりは特別だった。
近くの遊郭などから芸者や遊女たちのキレイ処が花見にやってきた。
江戸の花見_b0126549_20114971.jpg
これに期待に胸を膨らせたスケベな男性たちが大勢押し寄せた。

このあたりでは飲み食いは自由、遊びや少々の羽目外しも許された。

これらの客を当て込んだ団子屋や茶店もたくさん出店してきた。

満開の花の下、渡世を忘れて庶民の飲めや歌えの大騒ぎが見られるようになった。

「花より団子」、江戸の頃から続く日本のお花見風景だ。

嬬恋村で桜の花が見られるのは平成も終わりの連休あたりだ。





by hanaha09 | 2019-03-28 19:44 | 田舎暮らし | Comments(0)
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