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あるちゅはいま日記

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フグ毒とトリカブト毒

先日からアメリカの連続テレビ番組を見ている。
金髪美人のCIAスパイ物語、とにかく展開が早くモタモタしないので面白い。
美人CIAスパイの相棒はイラク戦線で盲目になった元軍人のサポーター。
そして、彼の戦友たちが次から次へと何者かに殺される、理由はいままでの展開では不明。
禁酒で頑張っていたその内の一人が死んでしまう、鑑定では急性アルコール中毒。
死亡原因が変だとするCIAの二人が酒の残り瓶を秘かに入手、調べると「テトロドトキシン」が検出される。
この合成を行ったのがドイツの製薬メーカーのこれも美人の研究者。
彼女を追及していくうちに彼女もロシアンスパイに殺される...今までに見た物語の進捗はこんなところ。
謎の殺人に使われた「テトロドトキシン」と言えば日本では誰でも知ってるフグ毒のこと。
アメリカのドラマではフグをご馳走することなく合成して酒に盛っちゃった。
フグ毒の研究は日本が世界をリード、フグ毒の抽出の成功したのが90年ほど前、構造が解明されたのが50年ほど前。
このフグ毒の合成はなかなか難しい。
ハーバード大学のノーベル賞受賞教授も其の合成にはギブアップ、そして2000年に入って名古屋大学の研究助手が其の合成に成功した(世界で二度目)、それまでに10年間もかかったようだ。
アメリカドラマにはこの研究成果が役立った?
フグ毒とトリカブト毒_b0126549_11270071.jpg
そして、もう一つすごい話がトリカブト殺人事件。
1986年、昭和61年のこと、那覇空港に降り立った夫婦、夫は急用とそのまま大阪に帰り、妻は予定通り石垣島へ出かけた。
3時間後に妻は発汗、悪寒、手足マヒで心肺停止に至った。
司法解剖の結果では「急性の心停止」。
疑問を持った担当医が数年後の保存血液の検査で発見されたのが「アコニチン(トリカブトに含まれる猛毒)」。
フグ毒とトリカブト毒_b0126549_11280427.jpg
このトリカブト毒は服用後およそ20分で効く速攻毒、夫と妻は別行動中でアリバイがある。
ところがこの夫、クサフグを大量に購入した形跡があった、しかも妻の血液の再々調査では「テトロドトキシン」まで検出された。
この完全犯罪のトリックは二つの毒が持つ拮抗作用にあった。
つまり、両方の毒を混ぜて服用させると両方の毒が効かなくなる。
しかし、「テトロドトキシン」は体内で分解されていく、フグ中毒の人が8時間過ぎると助かると言われる所以である。
このフグ毒の分解が進んでいくと、服用されたトリカブトの「アコニチン」が即効で効いてくると言う謎なのだ。
次のCIAスパイドラマは日本に舞台を変えて、フグとトリカブトの登場するこのトリックが出て来るゾー。












by hanaha09 | 2019-02-09 11:29 | 田舎暮らし | Comments(3)
Commented at 2021-07-23 16:45 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by フグ at 2021-07-23 16:45 x
フグ
Commented by 大松榮人 at 2021-07-23 16:46 x
佐野裕哉
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