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あるちゅはいま日記

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麁服(あらたえ)

新天皇が真の天皇になるために執り行われる大嘗祭。
この儀式に必要になってくるのが神御衣(かむみそ)、神が着用する衣装のことだ。
大嘗祭では繪服(にぎたえ 絹の織物で出来た衣装)及び麁服(あらたえ 麻の織物で出来た衣装)が神座に供えられる。
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繪服は三河の赤引糸で織られる、麁服は阿波の国の三木一族の御殿人(みあらかんど)が織り上げたものが納められる。
807年に記されたと言う「古語拾遺」には天日鷲命(あめのひわし)が種穂山(たなぼやま)に降臨し、麻・穀・粟・五穀の種を携え栽培を始めたのが阿波の国吉野川流域の麻植郡(今の吉野川市)であった。
麻は、神事に欠かすことのできない神聖な植物であり、今でいう「大麻」であった。
天日鷲命を祖神とし、「大麻」の栽培・加工技術を持った阿波忌部氏一族は大和朝廷の国つくりにおける重要な責務を果たし、また大きな影響力を持つことになった。
三木一族は阿波忌部の直系の末裔とされている。
三木一族以外で調整された麁服は麁服ではないと言われるわけがここにある。
平成天皇の即位の際の大嘗祭にも麁服が供納された。
「大麻」の栽培は桜の咲くころの播種式から始まる。
7月下旬の晴天の日に刈り取り、煮沸のあと天日乾燥を行う。
8月になり、乾燥させた麻の茎を水に浸して発酵を促す、皮をはぎ、表皮を取り除き乾燥させると「精麻」となる。
鮮やかな黄金色となった「精麻」は紡糸され、近在の忌部神社にてお祈りの後、機織り、そして麁服となる。
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再び忌部神社へ戻され、大嘗祭の行われる皇居(来年の大嘗祭が執り行われる場所は未定)へ送られる。
大麻取締法により大麻の栽培技術が途絶えた阿波の国では、遠く群馬県の東吾妻郡東吾妻町岩島に伝わる栽培技術の応援をもらって、この麁服材料をかろうじて確保できたという。b0126549_18062428.jpg
平成26年現在で「大麻」栽培の許可を受けたもの33人、6haとなっている、その多くは栃木県における低毒性の「大麻」。
古代の阿波忌部氏は「大麻」の外に吉野川流域に鉱床があった丹(に)と呼ばれた辰砂(服用すれば鎮静・催眠作用、また中国では不老不死をもたらす夢のような薬とも言われていた)も一手に握っていたようだ。
忌部という名前こそ、忌むべき危険なトリップ用品を扱っていたという一族の証左でもあろう。
大嘗祭における秘儀もなんとなく浮かび上がるような忌部氏一族の麁服話だ。
ちょっとラリってきたかなぁ。














by hanaha09 | 2018-12-10 16:18 | 田舎暮らし | Comments(0)
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