デーダラボッチ、日本各地で伝承される巨人伝説である。
山や池などを作り上げた、という伝承が多い。
日本の国の国造り伝説の一つであるらしい。
浅間山にもこのデーダラボッチは居た。
「浅間山は後からできた富士山に背の高さで負けた。此れに嫉妬した浅間山は富士山にお前の土を分けろ、と言った。富士山はそれを了解、デーダラボッチは自分の前掛で土をエイコらさと浅間山まで運んだ。しかし、浅間山はデーダラボッチの苦労も知らずに土が足りない、とデーダラボッチを思い切り叩いてしまった。そのときにこぼれた土が積もって前掛山になった。そして、浅間山の怒りは収まらず浅間山は今でも噴火を続けているそうな。」
また、こんな伝承も。
「デーダラボッチがヨッコラショと、碓氷峠で休んでいた。足は妙義山まで届いたんだと。その足の指をイノシシが薯と間違えてかじってしまったんだと。怒ったデーダラボッチは、イノシシを握りつぶして浅間山の火口にかけた大鍋でぐつぐつ煮て食べてしまったんだと。おなか一杯になったデーダラボッチが昼寝をしてて足を大鍋に掛けてひっくり返してしまった。大鍋からこぼれた汁が火口にこぼれて噴煙をあげた、またこぼれた山裾からは塩気のある温泉が湧きだしてきたんだと。これが今でも塩壺温泉と呼ばれているそうな。」
巨大な自然の力をデーダラボッチという巨人にたとえ、人の力では抗うことはできないが何とか共生の余地を残そうとの昔の人たちの教えのようだ。
一見静かなような今日の浅間山だが、近々の観測情報によると地中のマグマはまだまだうごめいている。