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あるちゅはいま日記

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襖の下張り

江戸は究極のリサイクル都市だった。
その中の紙は特に回収利用が進んでいた。
「4畳半襖の下張り」、永井荷風が雑誌『文明』(大正6年)に発表した短編小説。
作者がたまたま買った古家の四畳半で、襖の下張から古人の手になる春本を見つけ、それを浄書して読者に紹介するというものだ。
わいせつ裁判でも有名になった。
今の襖は表には強度のある紙が用いられるので中は空洞、何も出てこない。
昔は何枚かの和紙を重ねて張り強度を持たせた。
当時は紙は貴重品、要らなくなった帳簿や手紙、図面、本などがこの下張り用の紙として用いられた。
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和紙に墨で書かれた紙はこの下張りに最も都合が良かった。
この墨が襖を食い荒らす虫除けになった、しかも和紙はしっかりと強度がある。
古いお寺や旧家の襖の修理などの際、思いもよらない貴重な歴史的文書が発見される。
中には永井荷風のようなたいそうなお楽しみが見つかることもある。
浮世絵は墨の使用が少ないのであんまり使われなかった?
その代わり、日本からヨーロッパに大量に輸出された陶磁器の包装に使われたのが、浮世絵版画だった。
当時、日本での浮世絵はポスターや雑誌などと同じような消耗品。
それらを回収して、陶磁器を包む緩衝材として利用した。
その包装紙がヨーロッパ各地で大評判、あのフランスの画家のマネ、モネ、ゴッホ等に非常に大きな影響を与えた。
ジャポニスム 、極東の日本文化に対する憧れをかき立てる一因になった。
この包装紙には春画は使われなかった。
何しろ多色刷りで高度な技法を駆使した春画、回収品でもお安くはなかった。
包装紙にはならなかったようだ。











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by hanaha09 | 2018-06-14 22:24 | 田舎暮らし | Comments(0)
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