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あるちゅはいま日記

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しょうぶとヨモギの昔話

昔なぁ、門貝村の山奥にうんと欲のふけえ男が住んでいたんだと。

四十過ぎても嫁が無かったんだと。

嫁に飯を食われるのがやでもらわなかったんだと。

ある日、米無山の鬼女がこの話を聞いて、男の所へやってきて、「おらは飯を食わねえで働くから嫁にしてくれ。」って。

鬼女は本当に幾日も飯も食わずによく働いたんだと、だけんどもなんとも不思議でならなかんだと。

男は「明日赤羽村まで用事で出掛けて泊まって来るから。」とうそをついて、次の日出掛けたふりをして二階に隠れて鬼女を見張ったんだと。

鬼女は誰も居ねえのを見届けてから倉に行き、米一俵をぶらさげて来て、桶でごしごしといでから、馬に煮てくれる大釜で米をぐつぐつ煮て、幾つも幾つもむすびを作ったんだと。

鬼女は口へさっきのむすびをどんどん放り込み全部食べてしまったんだと。

男はびっくりして梯子から転がり落ち、鬼女は「見たな。」と、さっき米をといだ桶に男を入れて「えっさ、ほいさ。」と万座川の奥の岩穴に男をかついで行ったんだと。

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岩穴に着くと「おぉい、人間の生きた奴を連れて来たぞ。」とどなったんだと。

すると、赤鬼青鬼がぞろぞろ出てきたんだと。

男はびっくり仰天、力の限り走ってしょうぶとよもぎの原に隠れたんだと。

鬼たちは「待て、待て。」と、しょうぶとよもぎの原に追いかけたんだが、しょうぶの葉でさんざ傷つくり、よもぎの臭いにむせかえって、しかたなくさがすのをあきらめて岩穴へ帰っていったんだと。

男はやっとのことで家に逃げ帰り、鬼が来ねえように家の軒にしょうぶとよもぎを飾り、もう二度と欲の深え事は言わずにせっせと働くようになったんだと。

しょうぶとよもぎは魔よけのおまじないとして、今も五月の節句になると各家々の軒に飾られるようになったんだと。

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by hanaha09 | 2018-06-04 18:20 | 田舎暮らし | Comments(0)
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