枯葉の下からむっくりと頭を持ち上げてきた。
先日のヤマラノオロチのようにすこぶる頑強そうな八つの頭がある。
これはヤマラではなく、数年前に実生の苗をもらって植えておいたヤマシャクヤク。
五月の後半にはこんな花が咲く。
シャクヤクは婦人病の要薬として、「美」にも縁の深い生薬なのだそうだ。
血液を滋養し、婦人科系の働きを整える働きがあり、漢方では益気・補血薬(婦人向けの強壮薬)として用いられる。
薬酒として服用すると、アルコールとの相乗効果により、さらに緊張を緩めて血の巡りをよくする効果がある。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といわれ、この生薬を服用する女性は、シャクヤクの花のように晴れやかで美しくなるという意味も秘められている。
竹久夢二の絵に出てくるような「色白・やせ型でむくみやすく、冷えに敏感な蒲柳の質」タイプのご婦人に用いられるのだそうだ。
やはり、ヤマラノオロチの化身か...