「草の戸に 春は来にけり 蕗のとう」 一茶
このあたりにもようやく「蕗のとう」が出てきた。
雌花が黄色で、雄花が白と言われているのでこれは雌。
てんぷらがおいしい。
ほろ苦さにほのかな甘みがある。
雪が多いと苦みが少なくなるそうだ。
遠いふるさとを思い出す香りだ。
幼少の頃には苦手な苦みだが、歳を行くにつれこの苦みが遠い昔を思い起こす。
春の山菜には多くのパワーがついてまわる。
香りの成分はフキノリド、これには胃腸の働きを良くする健胃効果がある。
苦み成分はアルカノイドとケンフェール、アルカノイドは肝機能を強化しケンフェノールは発癌物質を抑制する。
多く含むカリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果がある。
このまま採らずに置いておくと、背丈が高くなって「薹が立つ」。
「薹が立つとは、若い盛りの時期が過ぎる。年頃(多くは婚期)を過ぎる」と言われる。
この蕗の薹は「薹が立って、枯れる寸前」のジイサンにも元気を与えてくれるかなぁ。