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あるちゅはいま日記

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春画を描かなかった写楽

永青文庫副館長の橋本麻里氏が語る。
その前に永青文庫とは...あの元総理大臣細川護熙氏が理事長を務める細川家代々の美術品を収蔵した美術館。
「東洲斎写楽は錦絵の時代、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重らが次々登場した浮世絵黄金期に現れました...写楽の歌舞伎役者絵の作品は役者を美化、理想化するのではなく、キャラクターを掘り下げながら、ネガティブな部分さえ含んでしまったところにリアリティがありました...」
「写楽の正体については、現在「阿波候お抱えの能役者 斎藤十郎兵衛」でほぼ間違いないだろうと結論づけられています...今でいえば県の職員、当時の歌舞伎という芸能そのものが風紀を乱すいかがわしい仕事とみなされていました。万が一身分が明らかになれば、自分だけではなく、阿波候にも迷惑が掛かってしまうため、名前を出すことができなかったんでしょう...」
「北斎や歌麿をはじめとする、ほぼすべての浮世絵師が春画を描いていました...写楽は春画を一枚も描いていない。もし写楽の春画が発見されたら大ニュースですが、10か月の活動期間で140点余りの作品を発表するような忙しさでしたから、春画まで描くような時間が無かったんでしょう。」
「仮に写楽の春画が見つかったとしても、ぐっと来ないというか、あまり上手じゃなさそうな気がします。少なくとも美人画で有名な歌麿のようには行かないでしょう。名女形で有名であった瀬川菊之丞も、写楽の手にかかると、お世辞にも「美しい」とは言いにくい...」
春画を描かなかった写楽_b0126549_11201368.jpg
世界的にも評価された東洲斎写楽、「お笑い絵」にはちょっと縁のない、こんな一面もあったんだ。





by hanaha09 | 2017-12-18 11:52 | 田舎暮らし | Comments(0)
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