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あるちゅはいま日記

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びーどろ鏡

鏡の起源は人類と同じほど古いのだそうだ。
そして水に映る姿が自分であることを知り、初めて人は自分自身を客観的に見ることができたのだ。
世の中の女性は鏡をのぞき込んでは自らを知り、自らを磨き、自らの美しさを極めていった。
かがみこんでみる水鏡が不便であったのか黒曜石を磨いた石鏡が登場した。
そのうち、金属板を磨いた青銅鏡となった、よく遺跡から発掘されるやつだ。
14世紀になってイタリアのガラス職人が錫アマルガムを板ガラスの裏面に付着させて鏡を作る方法を発明してから、ガラスを用いた反射の優れた鏡が生産されるようになった。
江戸時代になって南蛮からこの鏡が輸入されるようになった。
府中競馬場の近くにある大國魂(おおくにたま)神社の宝物殿には世界に3個しかない「びーどろ鏡」のうちの一つがあるそうだ。
びーどろ鏡_b0126549_1753252.jpg
1643~1670年の間に10回にわたり877個が東インド会社により日本にもたらされたのだそうだ。
1783年8月、鎌原村は浅間山の大噴火に伴う土石流で村ごと埋まってしまった。
1979年に鎌原村の埋まった普通の家の一軒が発掘された。
発掘品の中には「びーどろ鏡」が3点も発見された、そのうちの1点が嬬恋村郷土資料館に展示されている(資料館内の写真撮影は禁止だ)。
当時としては非常に貴重な「びーどろ鏡」がこんな山の中にあった、というよりは使われていたとみられている。
江戸の女性の心意気が伝わってくるようだ。
男が年をよると鏡を見るのはひげをそるときくらいだ。
はげた頭を見るのは相当の勇気がいるようになった。
水鏡で十分だ。
by hanaha09 | 2015-12-26 17:27 | 田舎暮らし | Comments(0)
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