雨が降って、もう秋の気配だ。
「秋の野に 咲きたる花を
指折り(およびをり)
かき数ふれば
七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花葛花 撫子の花
女郎花 また藤袴
朝貌(あさがお)の花」
秋の七草は万葉集に出てくる、山上憶良が詠んだ。
七草のうちの二つ、オミナエシにナデシコだ。
春の七草はすべて食用。
春に芽吹いた、若く力強いエネルギーを摂取することで、春から夏に向けて体力を蓄える、ということだ。
一方、秋の七草は愛でる物、これらは一見食べられない様に思える。
実は古来から「生薬」として使われていたのだ。
夏の暑さで弱った体を癒し、来る冬へ向けて体調を整える薬、今で言えばデトックス効果なのだ。
しかも、そのほとんどが婦人病むけだ。
秋の七草は夏の猛暑で疲れた身体の消炎効果、果ては風邪に伴う咳や痰に効果があると言われている。
自然のおもむくままに過ごすのも一つの生き方だ。