タイの食堂でビールを頼むとたいていが良く冷えてない。
で、「ナムケン クラップ」と叫んで氷をもらう。
かくして、氷の浮かんだビールのコップを傾けることになる。
ちなみに氷はタダ、危険だという人も居たが...何しろ、大都会でもこんな氷の運搬方法が普通なのだ。
江戸の夏にはやはり氷は貴重品。
加賀藩の城内にあった氷室から採られた“氷”が江戸幕府に届けられた。
金沢城から江戸までは最短路で480キロ程ある。
この道程を、大名飛脚たちが4人1組で、むしろと笹の葉で幾重にも包んだ氷を桐箱に入れて担ぎ、昼夜問わずひたすら「お氷さま」を運び継いだという。
江戸までは5日ですっ飛んだ。
江戸城に無事届けられた「お氷さま」は...
「氷とは申せ、是は雪塊にて、土中に埋め置きし物なればにや、土芥などの打ち雑りて頗る清からず。されば御台所はお手を付けず分け下さるなり」
どうやら、氷献上は、幕府に対する藩の忠誠を確かめるための形式的な儀式だったようだ。
「こころざし水(見ず?)にせぬうちお裾分け」
こんな川柳も。