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あるちゅはいま日記

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行者忍辱

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春一番に勢い良く芽を出すのは行者ニンニク。
ニンニクではない葱の仲間。
自生の行者にんにくは発芽した後、食べられるほどに葉が成長するには最低でも5年以上かかる。
長い年月をかけて、土壌の栄養や春の雪解け水から滋養を吸収し、太陽の光を浴びて育つ「幻の山菜」だ。
修行僧(行者)が、まだ少し寒い雪解けの頃、こっそり食べて、体を温め、また強壮薬とした。
これを食べると滋養がつきすぎて街が恋しく、修行にならないので、食べることを禁じられていたからだ。
ニンニクよりも多い、匂い成分の元「アリイン」を含む。
アリイン(含流アミノ酸)は、植物にとっては、ポリフェノールなどと同じように、自分の身を守る防御物質。
葉を虫や動物に食べられたり、茎を折られたり、あるいは料理で刻まれることで細胞が壊れて酸素にふれる。すると、細胞内にある酵素アリイナーゼとアリインが反応して、独特の匂いを持つ「アリシン」に変化する。
「アリシン」には強い抗菌作用があるため、「アリシン」がつくられると、外敵から身を守ることが出来る。
「アリシン」は体内でビタミンB1と結びつくと、水に溶けにくく熱にも強い、活性持続型ビタミン「アリチアミン」に変化する。
「アリチアミン」には、血行を良くして、糖の分解を促進し、消化酵素を活性化して代謝を促進する。
元気の出るわけだ。
行者にんにくは漢字では、「行者大蒜」「行者葫」「行者忍辱」などと書く。
仏教用語の「忍辱(にんにく)」には、「あらゆる困難を耐え忍ぶ」という意味がある。
塩味で食べる天ぷらが旨い。
これにビールがあれば煩悩もどこかに吹っ飛んでしまう、ただのヒトなのだ。
by hanaha09 | 2015-04-24 22:28 | 田舎暮らし | Comments(0)
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