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あるちゅはいま日記

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八ヶ場ダムで湖ができる

「バンザーイ」って叫んで祝ってましたが...
八ヶ場ダムの本体関連予算案が決定、いよいよダムができる。
だが、予算案は資材関連置き場などの整備費18億円(国費7億円)。
これでは八ヶ場ダムの完成をみるまで生きていないかもわかりません。
でも、このあたりの風景は水の中に沈んで見られなくなってしまいます。
八ヶ場ダムで湖ができる_b0126549_19564164.jpg
川原湯温泉から吾妻川対岸の景色です。

今をさかのぼること数十万年前、嬬恋には大きな湖ができていた。
今の嬬恋村役場くらいを中心として東西11.5km、南北に9km、水深は300mにも達していたと想像される。
昔々、西に長野県と接する鳥井峠を源流とする吾妻川は南に流れ、千曲川に合流したのち、日本海へと下っていた。
浅間山の噴火でせきとめられて大きな湖となってしまったのだ。
古嬬恋湖と名付けられている。
古い地層からは湖底の堆積物が見られ、ナウマンゾウの祖先、シカゾウの骨も発見された。
そのうち、東側に水はあふれ始めて吾妻峡を削り、利根川へと合流するようになり、湖は消え去った。
自然湖のほとりの森林帯を巨大ゾウがのし歩いていた、まさにサファリですね。

ちょうど古嬬恋湖の下流にできる八ヶ場のダム湖はちょっとこんな雰囲気にはならない様子。
まずは水不足。
吾妻川の水はほとんどが発電に利用されている。
東京電力は専用の排水管をうずめ、吾妻川上流から利根川の合流地点までいくつかの発電所で水を使い回し利用している、今は八ヶ場ダムのあたりの吾妻川は素通り。
この水がないとダムに水がたまらない。
東京電力は発電をやめて莫大な補償金をもらう。
次に万座温泉、草津温泉から出るph=2の酸性温泉水の流入。
いやらしいのが草津温泉、下流の品木ダムで中和処理を行っている。
生成する沈殿物にはあの猛毒のヒ素が検出されているのだ。
この生成物の捨て場がすでになくなってきている、ダムにたまった沈殿物が浚渫・廃棄できなくなってくる。
大雨の際には放流水と一緒に流れ出して八ヶ場ダムに堆積する。
嬬恋の高原キャベツ畑で大量に散布される農薬は雨水とともに吾妻川を下り同じく八ヶ場ダムへ。
想定される大洪水の調節機能として7-9月は貯水量を最低減とする、30m以上も水位が下がる。
水没した村々がまたあらわれてくることも。
これでは自然環境に敏感な植物、動物は寄り付かない。
これでも年間7百万人(毎日2万人弱)の観光客を誘致できるといわれる八ヶ場ダム湖であります。
by hanaha09 | 2011-12-26 19:57 | 田舎暮らし | Comments(0)
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