北陸新幹線、金沢-敦賀間が延伸開業した。
従来の福井県内を通過していたJR北陸本線、大聖寺駅ー敦賀駅間は福井県内各市町村の第三セクター(県民鉄道)として新たに開業された。
運行距離は84.3㎞、JRから譲渡される線路や土地、車両などの資産譲渡額が約70億円、従業員は280人で発足する「ハピラインふくい鉄道」。
福井県では年間7億円程度の赤字と試算されているが、この鉄道の営業損失は13億5938万円に達するのではとも言われている。
旅客売り上げが十分に期待されない、線路、車両維持費用などの固定費が掛かる、ということに尽きる。
「ハピラインふくい鉄道」の年間営業収入予想は17億6563万円、JR貨物の線路使用料は17億4332万円ほどで合計はおよそ35億円、そこに営業経費が48億6833万円に上るとされる。
そもそも、JRがなぜ在来線を切り離すかというと、儲からないからだ、運賃が割安、短距離の移動の旅客が多いので営業収入はあがらない、その割に固定費が重くのしかかるのである。
北陸本線は貨物列車、優等列車が運行される高規格路線である、設備維持費用も当然コストがかかる。
信越本線を引き継いだ「しなの鉄道」はこの路線維持に苦闘している、維持管理がいきわたらず脱線事故を起こした、複線の線路を単線化する意向だと聞く。
と言ってこの旧北陸本線を低規格に変更するというわけにもいかない、長大貨物列車が24時間走る、また、ウクライナ戦争でも明らかになったように緊急時の際の兵站には大量輸送の可能な鉄道は無くてはならないもの、大幹線である東海道のバックアップ路線としても欠かさざるを得ないものである。
車社会の発達と人口減少の影響が重くのしかかる第三セクター鉄道である。
ある第三セクター鉄道で増収を図ろうと通学生の定期代を値上げした、途端にお客さんが居なくなったという、通学生の親が車で送り迎えしたり、スクールバスを利用したりするようになってしまったのだ。
莫大な投資の絡む新幹線、その経済効果の裏で庶民の足、緊急時の兵站手段をも奪ってしまう鉄道旧線問題。
「そんなに急いで何処に行く?」、首都圏の京葉線での快速運転廃止の話もある。
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