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あるちゅはいま日記

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皆既月食の色

2018年1月31日は皆既月食が見られる日だ。
皆既月食とは、太陽と月の間に地球が入り込んで月が真っ暗になる。
しかし、実際には月は真っ黒にならず、しばしば「赤銅色(しゃくどういろ)」と表現されるような赤黒い色で観察される。
なぜか?
地球の周りには大気がある。
皆既月食の色_b0126549_18134349.jpg
この大気を通過する太陽光線の波長の短い青い光が散乱され赤い光が残る。
また、大気によって太陽光はわずかに屈折する。
この屈折した太陽光が地球の影になった月に到達する。
よって、月は地球の影で真っ暗にはならず赤銅色に変化する。
朝日や夕日が赤く見えるのとよく似た現象だ。
しかし、皆既月食のときの月がいつも同じような色に見えるわけではない。
太陽光の散乱のもととなる地球の大気中のチリが少ないときには、オレンジ色のような明るい色になる。
大気中にチリが多いと、大気を通り抜ける光の量が少なくなるため、影は暗くなり、灰色に見えたり、本当に真っ暗で月が見えなくなったりする。
フランスの天文学者ダンジョンが20世紀初頭にすでにこの現象に気づいていた。
彼は「ダンジョンの尺度」という目安を作って影響を調べた。
皆既月食の色_b0126549_18265740.jpg
1982年12月30日に起こった皆既月食では皆既月食中の月が真っ暗になり、月がほとんど見えなかった(ダンジョンの尺度で0相当)。
これは1982年春に噴火したメキシコのエルチチョン火山の火山灰等が成層圏に達し、その影響と考えられる。
1993年6月4日に起こった皆既月食でも、皆既食中の月のほとんどの部分は灰色で、わずかに赤みがかった月として観察された(ダンジョンの尺度で1相当)。
こちらは1991年6月、フィリピンにあるピナツボ火山が大噴火を起こし、長く漂った火山灰等の影響と推測されている。
21時11分には、
皆既月食の色_b0126549_23030684.jpg
左下が掛けてきた。
22時22分には、
皆既月食の色_b0126549_23022113.jpg
赤胴色に変わりかけてきた。
そして、クライマックスの22時50分、
皆既月食の色_b0126549_23092968.jpg
ピンぼけ写真に終わってしまった。
今回の「ダンジョン尺度」は2。
先日の本白根山噴火の火山灰が少々影響してるのかもわからない。
日本でみられる次回の皆既月食は2022年11月8日。
もう二度と見られないかもわからないねぇ。






by hanaha09 | 2018-01-31 23:18 | 田舎暮らし | Comments(0)
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