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あるちゅはいま日記

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願人坊主(がんにんぼうず)

江戸の町には大勢の人たちがやってきた。
人が集まればあちこちでいろんな需要がでてくるものだ。
かくして、いろんな珍商売が自然的に発生することとなる。
願人坊主、江戸の時代になって現れた日本の大道芸人のことだ。
もともと、神仏に対する参詣・祈願あるいは修行・水垢離を客の代理として行うことに始まったと言われている。
そのうち、江戸市中を徘徊して軽口、謎かけ、住吉踊り、あほだら経など、芸をすることにより米銭を乞う乞食坊主であった。
願人坊主(がんにんぼうず)_b0126549_16421737.jpg
「天狗のごり生(しょう)」と呼ばれた願人坊主の商売だ。
「ごり生(御利生)」とは神仏への祈念などに応じて、ご利益を与えること。
願人坊主は手製の鳥居を描いた箱を持ち歩き、鳥居から飛び出した狐の首を伸ばしたり縮めたり...
これで銭を乞うという珍商売だ。
その口上は「葛西金町半田の稲荷!、ごり生、ごり生大きなごり生!、すてきなごり生!!」。
細工の鳥居をくぐり伸び縮みする見事な仕掛けと大声で発せられるリズミカルな口上に、集まった子供たちはキャッキャッとそれはもう大喜び。
子供が銭を払ったのか、大人が出したのかはよくわからないが、日々の稼ぎになったに違いない。
実はこの「ごり生」、男根の異名。
口上、仕掛けの意味がお分かりになろう。
現代ではPTAのお母さんがひっくり返りそうになるちん商売だった。




by hanaha09 | 2017-11-30 17:22 | 田舎暮らし
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