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あるちゅはいま日記

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献残屋(けんざんや)

江戸時代は言わば贈物社会だった。
賄賂と言うと聞こえが悪いのだが、今でも人の家に挨拶に行く時に手ぶらはどうかな、と思う人も多いだろう。
江戸時代は、何かと言うとお互いに挨拶に行ったようなので、贈物社会になるのは至極当然であった。
全国の大名は参勤交代で江戸に来るとき、将軍、その他の役付きの面々に土産品を贈った。
また、年始には、大名たちは太刀を将軍に献上した。
「上がり太刀」と呼ばれる木刀に黒漆を塗り、真鍮の飾りをつけたもの。
儀式に用いるものなのだが、実用にもならず他に使い道がない。
でも献上物としては再利用できる。
そこで登場したのが献残屋(けんざんや)、この「上がり太刀」を引き取ってはまた別の大名の御用達係に売りつけた。
また、武家同士でも、互いに贈り物を交わし、何かあればお取り立てを、とか、あの件はよろしく、なんてひそひそ話をして帰る。
町人たちも、出入り先の武家や役所につけ届けをしにやってくる。
多くの進物、贈答品がやりとりされると受け取る側でも何かと重複したり、必要のないものまで貯まることになる。
この献残屋が扱った主な品物は次のようなものだったらしい。
沽魚(ひもの)、干貝、塩鳥(しおどり)、昆布、葛粉(くずこ)、片栗粉、水餅、金海鼠(きんなまこ/きんこ)、干鮑(ほしあわび)、くるみ、唐墨(からすみ)、海鼠腸(このわた)、雲丹(うに)、熨斗鮑(のしあわび)、檜台(ひのきだい)、折櫃(おりびつ)、筥(はこ)、樽
食品では日持ちのする高級干物、高級乾物、そして一度使えば用の無い儀式につかわれる道具類。
こんな川柳も、「献残屋 諸国の義理を 並べたて」。
究極のリサイクル社会であったと言われる江戸の町。
「メルカリ(現代のオンラインフリマ)」も顔負けの献残屋だ。
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by hanaha09 | 2017-06-10 22:40 | 田舎暮らし | Comments(0)
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