太陽が姿を見せると鳴きだすのがハルゼミ。
樅の木の幹にはハルゼミの抜け殻、空蝉だ。
そして、抜け殻から抜け出したのがエゾハルゼミの成虫。
鳴き声はヒグラシのように遠くまで響くくことは無い、ミンミンゼミのようにすごい鳴き声でもない。
エゾハルゼミはセミの中でも奇妙な鳴きで鳴く。
「オーギィー・オーギィー・オーギィーォ・キギギギギギギ」とか、「ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ…」、時には「ゲゲゲ、ゲーコゲーコ」なんて聞こえる。
カエルが鳴いてるみたいと言う人もいる。
そして昔々、いつのことかは良くわからない。
明欽(みょうきん)というお坊さんが、空から聞こえる「ミョーキン、ミョーキン、死ね死ね」という声を聞いて悟りを開いたというお話がある。
時代と共に自然の領域は狭まり、このエゾハルゼミ、絶滅危惧種に指定されるところも多いのだそうだ。