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あるちゅはいま日記

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銭緡(ぜにさし)

「江戸っ子の生まれそこない金を貯め」
江戸っ子の大半はその日暮らし、宵越しの金を持たないのが一つの美学。
江戸っ子まがいは金をため込もうとする、ないもの庶民の悔し紛れの川柳だ。
江戸庶民のお金は寛永通宝のような銭貨、一文が今の換算で20円か30円。
16枚あれば二八蕎麦を食べることができた。
映画の中でよく見るのが支払いの際に懐中から銭袋を取り出し、チャランと投げ出す。
銭形平次では銭を逃げる泥棒に投げつける、2枚から時には数枚投げつける。
銭緡(ぜにさし)_b0126549_1631098.jpg

その時に腰につけているのが「銭緡(ぜにさし)」、紐に通した銭を外して投げつける。
これはまとまった額を流通させる際に便利な用にと工夫されたものだ。
たいていが96枚の一文銭をひとくくりにして100文の支払いに通用されたそうだ。
4 文の差は数える手数料であったともいわれる。
また、96という数は2、3、 4の各数で割り切ることができて便利なので普及し たのだそうだ。
この慣行を「九六銭」もしくは「九六百」と称されたそうだ。
なんとまあ、ファジーな日本人の知恵だ。
こんな習慣も江戸にはあった。
「包金銀」、
銭緡(ぜにさし)_b0126549_164026.jpg
これも映画の悪代官と越後屋のシーンでよく出て来る。
「お主も悪じゃのう」と言いながら懐から袖口にわたる包だ。
一定量の施封された金銀貨は通常そのまま授受された。
包み紙に上書きさ れた金座・銀座・両替商名が信用されたため、開封されて内容が吟味されることはほとんどなかったといわれてい る。
すぐに封を説いて中身を確かめたくなるのは「江戸っ子のうまれ損ない」に違いない。
by hanaha09 | 2017-04-27 22:49 | 田舎暮らし | Comments(0)
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