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あるちゅはいま日記

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上州のデーラン坊

上州地方に伝わる民話から。
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"昔、昔、大昔、そのまた昔があったと。
上州の信州境(ざかい)に、デーラン坊という大男がおったと。
どんなに大きい男かというと、上州の妙義山(みょうぎさん)から、信州の浅間山(あさまやま)までひとまたぎするほどの大男だったと。
それだけに食事の仕方がものすごい。
いつも浅間山の噴火口(ふんかこう)に大鍋をかけて、木でも草でも片っぱしからひっこ抜いてはぶち込み、その音で驚いて逃げ出す兎(うさぎ)や猪(いのしし)や熊(くま)なんぞを、これまた片っぱしからつまんでは鍋にほうり込んで、グッツグッツ煮て食べるんだと。<中略>
腹いっぱいになると、妙義山の隣の荒船山を枕にして、足の裏を浅間山の噴火口であぶりながらいい気持で寝るんだと。<中略>
あるとき、このデーラン坊が、「むううん」と、寝返りを打ったから大変。
浅間山の噴火口にかけておいた大鍋をけとばしてしまった。
とたんに、ぐわぁっと恐ろしい音がして、上州も信州も一面に灰かぐら。浅間山の灰が何メ―トルもふたつの国に積もったのは、このときだそうな。
おまけに鍋の中の汁と中味が恐ろしい勢いで信州側(がわ)へこぼれてしまった。このために信州側では草も木もすっかり枯れてしまって、何百年も生えなかったと。
今、信州の塩つぼ温泉などが塩っぱいのは、このときの汁が土にしみこんで、今もって出てくるからだそうな。"

デーラン坊、「べらぼうに大きい男」ということで「ベエランボー」とか「でっかい」なんて言葉から派生したものに違いない。
軽井沢あたりにも雲場池はデーラン坊の足跡とか、離山はを椅子にして座ってたとか...
人が及ばない、コントロールの出来ない自然(火山)の驚異を「デーラン坊」に託した話であろう。
そして、恐れるだけではなくよく理解して、自然の驚異とうまく付き合いながら暮らそうとした昔の人々の教えでもあるようだ。
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by hanaha09 | 2017-02-16 18:32 | 田舎暮らし | Comments(0)
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