イタリアの映画を見ていると昼ごはんはたいていがスパゲッティとワイン。
このスパゲッティ、お呼ばれの時など日本人にとっては結構面倒だ。
長い麺をずるずるとすするともうあちこちがケチャップだらけになる。
ケチャップだらけの口でワインを傾けるとグラスの淵にはべったり模様がつく。
と、いうことでスパゲッティーの食べ方が指南されることになる。
まず、スプーンが一緒に出されなかったらこれをお願いする。
フォークに少量をつかみ、スプーンの上で時計回りにくるくる回して巻きつける。
大きな口をあけて食べるのだが、歯医者のときのように大きくあけるとバカに見える。
口の周りについたケチャップはナプキンで頻繁に拭く。
ところが本場イタリアのその昔、17世紀頃の庶民はパスタを手で掴んで食べていたそうだ。
この手がそのまま、フォークとスプーンになった。
片手ででも、きる、混ぜる、選ぶ、つかむ、突き刺す、口に運ぶことの出来る、日本伝統の箸使いの技、作法は世界文化遺産に登録してもおかしくないもののようだ。