ブログトップ

あるちゅはいま日記

hanaha09.exblog.jp

小野小町

b0126549_21203183.jpg
小野小町は、六歌仙・三十六歌仙にも数えられる才能あふれる歌人、希なる美貌の持ち主として、数々の浮き名を流したと伝えられている。

群馬県富岡市の鏑川河畔に得成寺がある。
こんな伝承が語り伝えられている。
霧深い初夏の朝まだき、前橋の(当時は上野国蒼海郷)釈迦尊寺に、笠を目深にかぶった一人の老尼僧が訪ねてきたという。
京の都より出羽の国を目指しての旅の途中で眼病を患い難儀をいたしておりますと、住職に幾日かの厄介を請うたそうだ。
住職は、深草の少将を九十九日も通わせ続けたといわれていた、小野小町の老いた姿は、もののあわれに胸がうたれた。
そして、この老尼を快く庫裏に迎え上げ、介抱をしたそうだ。
その後、住職の勧めで小野小町は富岡市の鏑川の小野の郷にあるお薬師様の湧き水で毎日水で目を洗ったという。
そうしてしばらく養生するうち眼も癒えた小町は、「南無薬師諸病悉徐の、願かけて、身こそ仏の名こそ惜しけれ」そう詠むと、いずこともなく立ち去っていったという。
そして、得成寺には一体の小さな、木像が寺宝として伝えられている。
しわだらけの老婆が破れ衣に身を包み、しなびきった乳房もあらわなそのすがた、一本の杖を頼りに上を見上げて放心したように立っているその像、見るだに、醜怪といわざるを得ない老婆の木像だ。
それが、あの、小野小町の老いさらばえた姿だというのだ。
b0126549_22185733.jpg

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に
                    『古今集』
[PR]
by hanaha09 | 2015-03-24 22:26 | 田舎暮らし | Comments(0)
<< ホッチキス まぼろしの鉄道 >>