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あるちゅはいま日記

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シルクの光と影

上州は吾妻郡中居村(現在の嬬恋村三原)に生まれた中居屋重兵衛。
幕末の混乱時、国内諸藩とのつてを生かして外国との生糸(シルク)取引で莫大な利益を上げた。
横浜開港の功労者とも呼ばれた重兵衛、その影の行動からか、程なくなぞの死を迎えることとなった。シルクの光と影_b0126549_20181595.jpg
よく似たアメリカ人がタイにもいた。
第二次大戦中、CIAの前身の諜報機関のバンコク支局長であったジム・トンプソンだ。
任務は対日本軍に対する秘密諜報作戦だった。
終戦と共に帰国命令を受けたが、帰るアメリカには離婚した妻しかおらずそのままタイにとどまった。
当時機械織りによる大量生産の普及などで衰退の一途をたどっていたタイ・シルクに着目し、私財を投げ打ってタイ・シルクの復興と欧米への輸出に全力を投入した。
欧米諸国でタイ・シルク=ジム・トンプソンは大成功を収め、莫大な利益をあげた。
そして1967年3月26日に、休暇で訪れていたマレーシアの高級別荘地で忽然と姿を消し、軍や警察、現地の住人など大規模な捜索活動にもかかわらず、その姿は二度と発見されることはなかった。
当時はベトナム戦争が東南アジア諸国を巻き込み激化していた。
またトンプソン自身、政変の続くタイ政府関係者にも深く関与していたこともうかがえる。
なぞは、トンプソン失踪の5ヵ月後に他殺体で見つかった彼の姉にも続くことになる。シルクの光と影_b0126549_2038524.jpg
自らの名を冠した「ジム・トンプソン」ブランドは、その高い品質と優れたデザインにより、タイ・シルクの最高級ブランドとして世界的に名高く高い人気を誇る。
世界の女性達をとりこにする魅惑の「シルク」、妖しげに光る影にはなぞの歴史があちこちにのこっているようだ。
by hanaha09 | 2015-03-04 20:51 | 田舎暮らし | Comments(0)
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