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あるちゅはいま日記

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オヤマボクチ

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これはオヤマボクチの花だ。
アザミの仲間で山ごぼうで知られるモリアザミと同種である。
漢字では「雄山火口」と書く。
茸毛(葉の裏に生える細かな繊維)を火打石の火花から火をつける火口(ほぐち)に利用したことからこの名がついた。
オヤマボクチは根っこを食べるよりももっぱらこの茸毛(じょうもう)を利用する。
奥信濃の山奥、富倉という茅葺き屋根の家が残る集落に幻の蕎麦と呼ばれる「富倉蕎麦」が伝わっている。
ここの蕎麦は、オヤマボクチの茸毛をつなぎに使うのだ。
十割そばのような香りと、つなぎ入りそばの喉ごしの良さを同時に味わえる。
色の濃い蕎麦はシコシコとした独特の歯触りがあるということだ。
オヤマボクチの葉の太い葉脈を手で取り除き、手で揉んでは干してを繰り返し、残った繊維を取り出したあとに灰汁(アク)抜きをして乾燥させるとほんのわずかになる。
そのひとつまみが「富倉蕎麦」のつなぎになる。
富倉は雪深い土地で麦の栽培が出来ず、小麦粉が手に入らない。
こんな土地に暮らす知恵として植物の繊維「茸毛」をつなぎとして使うようになったのだそうだ。
大変な手間と時間がかかる本当の幻の蕎麦のようだ。
一度はオヤマボクチ蕎麦に挑戦してみたいものだ。
by hanaha09 | 2014-10-14 19:19 | 田舎暮らし | Comments(0)
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