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あるちゅはいま日記

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閑古鳥

山の中がすっかり緑に塗り替えられました。
一番快適な季節、ハンモックを木の間に吊るして寝そべってみた。
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遠くからはかっこう鳥の絶え間ない鳴き声が響いてきます。
すっかり夏の装いになってきました。
このかっこう鳥、いつも鳴き声を聞くが姿を見たことがない。
どんな鳥かと図鑑を広げると、こんな鳥。
閑古鳥_b0126549_21231845.jpg
鋭い眼光をもつ。
かっこうは「托卵」を行う種として有名なのだ。
他の鳥の巣に自分の卵を産卵し、抱卵から育雛まで子育てのすべてを任せてしまう鳥のことだ。
自分ではいっさい子育てをしない。
そして、この鳥なかなか巧妙でずるがしこい。
産卵中の宿主(しゅくしゅ)の巣から卵を1個抜きとった後、自分の卵を1個産み込む、宿主に気づかれないように数合わせをするのだ。
産み込まれた卵は宿主に温められて宿主のヒナより1日か2日前に孵化する。
するとかっこうは宿主の卵をすべて巣の外に放り出してしまう。
こうして巣を独占したかっこうのヒナは宿主の世話を一身に集めて育てられるのだ。
悲しきかな宿主はだまされ他人の子孫を育てるのである、悔しいのう!
しかし、宿主もいつまでも騙されてはいない、そのうちかっこうの卵を識別できるようになり、その卵を自分の巣から放りだすようになる。
かっこうはますます宿主の卵に似せたたまごを生むようになる。
何年かたち騙しきれないとなるとかっこうは別の種に宿主を探すようにもなってくる。
これが生き残りをかけた鳥の進化だ。
「閑古鳥がなく」地方都市の商店街、なんてよく言われます。
この閑古鳥はかっこうのこと。
古来、日本人はかっこうの鳴き声に物寂しさを感じてたようであり、「憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥」松尾芭蕉、とも詠まれています。
さびしがるばかりではなく、競争に生き残るためには進化が必然となってくる。
こうした圧力こそが進化を起こすための引き金であり、また人間社会の進化にかたんに挑戦して行ける原動力にもなるのだ。
by hanaha09 | 2012-05-30 21:37 | 田舎暮らし | Comments(0)
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