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あるちゅはいま日記

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夜叉五倍子

春になるといろんなものがあらわれてくる。
この写真は?
虫ではない、「夜叉五倍子(やしゃぶし)」の樹木の枝先から落ちてきた花序(オス花)。
「五倍子(フシと読む)」とはヌルデの若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶのこと。
タンニンを多く含んでいて、染料のもとに使われた。
「夜叉五倍子」の実も同じくタンニンを多く含んでいてこの「五倍子」の代わりに使われた。
「夜叉」とは果穂がごつごつしてるところからついた。
先日までは写真の花序も醜くごつごつなのでこれから「夜叉」と名がついたのだと思ってたが間違い。
この実の様なのが夜叉の語源となった果穂。
「夜叉」とは古代インド神話に登場する鬼神。
ちょっとかわいらしいごつごつした姿、形の実はタイの鬼神「ヤック」がぴったり。

このヤシャブシの果穂は昔はホウロクで黒焦げになるまで炒って、粉にして、小間物屋や雑貨屋等で売っていたらしい。
大江戸町民たちがお歯黒に使ったのだ。
このヤシャブシの粉を水と共にお歯黒壷に入れる。
他に酢、酒の残り、お茶の残り、古釘等鉄の錆たものなど、これを一緒くたに入れておくと真っ黒なドロドロの液体が出来る。
これを嫁となった女性が歯に付けるのである。
女性が嫁入りして子供を産むと栄養を取られて歯がぼろぼろになったりする。
かあちゃんの虫歯を防ぐ、今でいうフッ素ガードであったのだ。
明治に入ってお歯黒禁止令が出来てこの風習は廃れてしまった。
面倒だし、臭いし、何よりも若奥様には夜叉の様な顔に見られるのが嫌われたようだ。

ヤシャブシは空気中の窒素分を固定する根粒菌を持つのでやせ土でも大木に育つ、パイオニア植物なのだ。
秋になれば窒素分の豊富な落ち葉をいっぱいにおとして周りの土壌を豊かにする。
そして、ホコホコの腐葉土ができるとナラ、コブシなどの次の世代の樹林に譲って自らは消えてゆく。
六甲山を造成した際に植えたこのヤシャブシを市民グループが片っ端から引き抜いて行ったそうだ。
雄花序の花粉が重篤なアレルギーを引き起こしやすいといわれたからだ。
残念です、これでは豊かな森はできません。





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by hanaha09 | 2012-05-10 23:41 | 田舎暮らし | Comments(0)
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