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あるちゅはいま日記

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かたくり

かたくりといえばまず頭に浮かぶのが片栗粉。
かたくりはユリ科に属し、根から良質のでんぷんがとれる。
今の片栗粉はジャガイモのでんぷんが原料。
その前はこのかたくりの根が原料として用いられていた、正真正銘の片栗粉。
かたくりは古来から日本にある山野草。
雨模様にもかかわらずかたくり自生地へ花を見に出かけて行った。
話題の八ヶ場ダムのちょうど付け代え道路の下あたり。
案内看板が見つからず遠回りをしてやっとたどり着いた林の中。
あたり一面とは言えませんが可憐な花が咲き始めていました。
かたくり_b0126549_100393.jpg
万葉集では大伴家持が次のように詠んでます。

もののふの 八十をとめらが くみまがふ
    寺井の上の 堅香子の花

堅香子(かたかご)とは万葉仮名で、正しく漢字で表すと「片鹿子」。
かたくりの葉が花をつけるもの以外は片葉(一枚)で、鹿の背のような斑点模様がある。
かたくりの古語の由来だ。
今でも地方ではかたくりを「かたこ」、「かたゆり」...と呼ばれている。
清水を汲みに集まる乙女たちの笑い声とその乙女たちのように可憐に咲いているかたくり、そんな華やかな情景を詠んだものだそうだ。
家持は同じくかたくりの花に都の若い乙女も重ね合わせ、思いをはせたことでもありましょう。
ついでに...もののふは八十(やそ)にかかる枕詞、八十は数の多いことを著わします。
かたくりを英語字引きで引いてみると dogtooth violet、「犬歯すみれ」だ。
欧米人に生まれてこなくて良かったと思う日本人の繊細な感覚ですね。
かたくり_b0126549_10133612.jpg
若葉も茎も花も食用。
湯がいておひたし、あえ物、生のままで天ぷら。
酢の物、汁の実、炊き込みご飯に入れても良い。
花言葉「初恋」の味わいがする甘みと歯ごたえだそうです。
一度は味わってみたいとわくわくしてきました。


  
by hanaha09 | 2012-04-23 11:21 | 田舎暮らし | Comments(0)
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