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あるちゅはいま日記

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噴火予知のこころみ

20世紀初頭には浅間山は噴火を繰り返していた。
明治の地震・火山の草分け研究者であった大森房吉博士、浅間山で地震の観測を始めたのが今から100年前。
浅間山のふもとに自ら開発した地震計を設置、山中から伝わるマグマの動きを探ってきた。
昭和に入り地元経済界の後押しもあり東京帝国大学地震研究所の付属施設として峰の茶屋に浅間火山観測所が設けられた。
火山噴火予知最前線として活躍し続けてきたのだ。
峰の茶屋、小浅間山登山口にあるおなじみの建物。
噴火予知のこころみ_b0126549_15313589.jpg
日本有数の地震・火山学者が集い築き上げた成果が実ったのが2009年2月1日13:00にだされた噴火警戒情報。
研究者たちは火道を上昇するマグマの振動、GPSによる地殻のわずかな変動、そして山腹に設置された傾斜計による浅間山火口付近のふくらみ..を見過ごすことはなかった。
2月2日午前2時前に鳴動、空振とともに小爆発(水蒸気爆発)を起こした。
実は、この時に予想されたのはもう少し大規模なマグマ噴火であった。
しかしマグマは火口の途中でふんつまり、水蒸気、火山ガスだけが噴出した爆発であった。
「浅間山の火口の内部、火道のマグマの様子を一目みることができれば...」じくじたる思いが火山学者の心の中に残った。
その実現を目指して東京大学地震研究所により、宇宙線由来のミューオン(素粒子の一種)を用いて火山の内部構造を画像化しようとする試みがミューオトモグラフィーだ。
10年にもわたる研究を積み重ねついにとらえた浅間山のレントゲン映像だ。
TV番組「ガリレオチャンネル」からの画像です。
噴火予知のこころみ_b0126549_15322458.jpg
密度の大きいマグマがオレンジ色の火道部分を上昇してくるのをこれでとらえることが出来るのだ。
こんなの見るともうおったまげます。
ただ、もう少し下部の火道の様子を観測するには受像機を山中深く埋め込まなければならないこと。
撮像装置の高感度化で受像時間を短縮することが課題だそうだ。
浅間山山麓住人にとっては思わず拍手したくなるとっても心強い研究です。

福島第一原発もこのミューオトモグラフィーを利用すれば核燃料棒のありかは一目瞭然なのでは、と素人の発想。
ちなみにこのTV番組のスポンサーはかのTEPCOでありました。
by hanaha09 | 2012-02-23 15:33 | 田舎暮らし | Comments(0)
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