少し冷え込んだが秋空は天高く...
佐久に手打ち蕎麦屋がある、「佐久の草笛」。
いつも満員、入り口を入ると手馴れたそばの手打ち作業が見える。
地産地消の地元そば粉がうまい、それにざるそばは山盛り(大盛りは注文しないほうがよい)、厚い掻き揚げがおいしい、そば焼酎もある。
そば切りを通じて領民たちとのコミュニケーションを図ったといわれる小諸城主仙石秀久公。
その子孫から伝統のそば切りを古文書から受け継いだという経営者。
「吾唯知足(われ、ただ足ることを知る)」、水戸光圀公が竜安寺の茶席に寄進したといわれるつくばい。
「知足(分に安んじてむさぼらない)の者は、たとえ貧しいといえども富めり、不知足の者は富めりといえども貧し」という精神を元に蕎麦屋をはじめたそうだ。
蕎麦屋ののれんにはこのつくばいの模様が描かれている。
小諸といえば、島崎藤村が青春を過ごしその作風に大きな影響を与えた。
千曲川旅情の歌には
「小諸なる古城のほとり...暮行けば浅間も見えず 歌哀し佐久の草笛(歌哀し)...」
とある。
藤村碑のある小諸城跡の懐古園では昭和33年より実に22年間も説教の変わりに草笛をかなで続けたという草笛禅師、横山祖道。
「雲水の草笛かなし千曲川」
禅師、詩人、俳人、歌人、草笛奏者であるばかりではなく、作曲家でもあられたそうだ。
佐久、小諸の「草笛」、大分理解ができてきました。