人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

あるちゅはいま日記

hanaha09.exblog.jp

ふでりんどう

りんどうといえば秋を代表する花ですが春に咲くりんどうです。
ふでりんどう_b0126549_821851.jpg
日当たりの良い場所に群生して咲く、かわいい色と姿かたちです。
ちょうどつぼみのさきっぽが筆先のように見えることから名づけられたそうです。
りんどうを漢字で書けば「竜胆」。
乾燥した熊の胆は「熊胆(ゆうたん)」といって健胃薬として漢方薬ではとても貴重なもの。
りんどうの根には各種の苦味配糖体が含まれ、「熊胆」に劣らぬ苦味と薬効を持ち合わせる。
それで「竜胆」と呼ばれ、おなじく苦味健胃薬として利用されてきた。
西洋にはきばなりんどう(gentiane)と呼ばれる黄色の花をつける野生のりんどうがある。
この根っこを蒸留酒に漬け込んだのが「スーズ」、食前酒です。
フランスでの食事は結構面倒でおっくう。
ボンジュール・ムッシューからはじまり、今日のスペシャル料理とか、肉の焼き加減はどうするとか、ワインは何にするとか、いろいろ言われてもさっぱりわからん。
最後に食前酒はなにが良い、なんて聞かれても何があるか、メニューのどこに書いてあるかもわからない。
で、あほの一つ覚えがこの「スーズ(suze)」、結構発音がたやすく覚えやすい、ちょっと苦みばしっておいしい。
ピカソも愛したこの黄色の酒、彼の作風を一変させたらしい。
と、ちょっと知ったかぶりに注文するところもまたいいところ。
1889年はジヤン・コクトーが生まれた年、エッフェル塔が完成した年そしてこの「スーズ」が世に出た年だそうだ。
ふでりんどう_b0126549_901397.jpg
ふでりんどうは花が終わると先っちょに盃状の種の入った器ができる。
風に吹かれて飛んでも行かない、虫も食べにこない、どうするか。
雨が降ると雨粒に飛ばされたり、この器に雨水がたまってあふれて一緒に流されてゆく。
そして拡がった種子から再び花を咲かせるわけです。
植物もいろいろ知恵を絞るものですね、うかうか寝ちゃおられません。
by hanaha09 | 2011-06-16 09:23 | 田舎暮らし | Comments(0)
<< やわら 雷電為右衛門 >>