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あるちゅはいま日記

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天明の浅間やけ

鎌原観音堂のすぐ横に嬬恋村郷土資料館があります。
天明の浅間やけ_b0126549_17354088.jpg
今年は嬬恋郷土資料館講座「もっと知りたい天明3年のはなし」を受講することにしました。
第1回の講義は壊滅鎌原村、吾妻川に押し寄せる泥流、その関東平野への流出。
「浅間山焼昇之記」絵図を調べた講師の先生。
浅間山噴火による天明の大災害についてはその大きさゆえに多くの絵図が残されているんですが...
描かれた噴火の様子や被害の実態、それぞれが異なっており中には事実にそぐわないものもある。
かの江戸時代においても未曾有の災害情報への関心は大きく、さまざまな情報が各地へ伝えられた。
伝播の途中では取捨選択、誇張が加わり省略部分も多く出た。
また作成の意図、情報の収集方法、作者の主観によっても表現が大きく異なったというのが事実。
「浅間山北之方草津温泉より伊香保温泉より杢御関所迄通り泥石等押し出し村々流るゝ図」。
天明の浅間やけ_b0126549_16492316.jpg
押し出し後40日間も煙がたったといわれる灼熱の「火石(かせき)」、吾妻川の泥流の流れの中に赤々と描かれています。
びっくり仰天の絵図に事実はともかく、流されてきた溶岩の中には軽石状のものも含まれ浮力で浮かびながら火を噴き出していたとも考証されています、まさに驚愕の災害を現わすにぴったり。
また、ちまたの江戸庶民の間では当時の田沼意次の賄賂政治を批判、風刺し、民衆を省みることなく進めた浅間山と地脈でつながる印旛沼開拓工事が噴火の原因とか、浅間山で行われた大量の良木伐採で浅間の山が怒り狂ったとかのうわさがひそやかにささやかれていた。

なんだか現代でもよく似たことが...
大規模災害をよく理解し、何事にも心の備えをしてておきたいものです。
来月の講座は天明の泥流にうずまった利根川中流の現地見学会。
大人の遠足で-す。
by hanaha09 | 2011-05-23 17:56 | 田舎暮らし | Comments(0)
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